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南十字星を見上げて過ごした高校生の夏休み

小さいころから天文少女だった私は、南半球に行くことが決まり南十字星を見るのが楽しみでした。沖縄からは水平線上にギリギリその姿を確認できるそうですが、普通に生活していれば南十字星を見られるのはプラネタリウムの中くらいです。
 
荷物を詰め込んだスーツケースの中には南半球の星図を入れ、期待と不安を胸に私は生まれて初めて飛行機に乗ってニュージーランドへ行きました。

渡航先は南島で最大の都市クライストチャーチでした。文化交流使節の1人としてとして選ばれた私は、他のメンバーと一緒に現地の高校で日本文化を紹介しました。学校以外ではホストファミリーと過ごしましたが、私がお世話になったホストファミリーの家には裏庭があり、私は毎晩そこから星を眺めていました。

私には南十字星を自分で見つけられるという自信がありました。けれども初めて見た南天の星空には明るい星が多すぎて、何が何だかさっぱり分かりませんでした。親切なホストシスター(受け入れ先の家族の女の子)が南十字星を教えてくれましたが、実はそれはニセ十字でした。もっとも本人はそれを南十字星だと思っていたようですが。

日本から持参した南半球の星図があると、見える星が何座の星かすぐに分かりました。南天の星空は暗い星が多いのですが、ニュージーランドは空が暗いのか1つ1つの星が明るかったです。少し専門的な話になりますが、おおかみ座の青白い2等星が1等星のようにまぶしく光っていたのが印象的でした。
1度把握できればあとは簡単でした。私は毎晩庭に出ては南十字星を見上げていました。その時に南十字星を見上げていた首の角度は、あれから20年が過ぎた今でも体が覚えています。

私がニュージーランドを去る前、ニセ十字を教えてくれたホストシスターが「新婚旅行でニュージーランドに戻ってきてね」と言いました。そして私は新婚旅行で夫を連れてニュージーランドに帰り、懐かしい人々と再会をはたしました。
もちろん私は新婚旅行のスーツケースにも南半球の星図を入れていました。今度は星図ではなく、レベルアップさせて南半球の星座早見表でしたが。
10年ぶりに見た南十字星はやっぱり美しかったです。

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